2021年10月28日 19:00
「私に大きな影響を与えた日本人は…」米インディーズ映画界のアイコンが語る日本への愛
ビリーの視点は、自身の幼少期と共通している
―監督自身の子ども時代も影響しているとのことですが、ご自身の経験も反映されている部分もあるのでしょうか。
監督それはけっこうありますね。実際、僕の両親は早くに離婚していて、父親はアルコール依存症でしたから。僕の場合は、3人の姉が半分母親のように僕のことをしっかりと育ててくれました。当時はつらいこともありましたが、いま振り返ると、その状況をどこか客観視しているようなところがあったので、何とか自分のなかにある希望や喜びを失わずにいられたのかなと。
子どもというのは、大人たちの大変な世界を俯瞰することができ、すべてが平和であってほしいと願っている存在のようにも感じています。ラナはビリーを演じるうえで、そういった雰囲気をうまく出してくれていましたよね。そのあたりの視点が僕の幼少期との共通点と言えると思います。
―ラナさんは本当に素晴らしい演技でしたが、演じてみていかがでしたか?
ラナさん家庭環境など、ビリーと状況は違うものの、キャラクターに共感する感覚を得られたのは、私にとってひとつの発見でした。ビリーを通して、自分自身の心について学ぶことができましたし、演技についてもいろいろと習得できたのではないかなと。