2021年10月28日 19:00
「私に大きな影響を与えた日本人は…」米インディーズ映画界のアイコンが語る日本への愛
ただ、ときおり何か文句を言いたいときに父親が監督だと相談しにくいときもありましたが……(笑)。でも、難しいシーンのときはどんな監督を前にしても、難しいものは難しいので、監督が父親だから余計難しくなるというのはありませんでした。結果的には、父に監督をしてもらえてよかったと思っています。
「スウィート・シング」とは、子どもたちみんなのこと
―タイトルには、「愛しい存在」という意味のある『スウィート・シング』が使われています。おふたりが「スウィート・シング」という言葉から思い浮かぶものは何ですか?
監督僕はやっぱりタイトルの基になっているヴァン・モリソンの楽曲「SWEET THING」です。歌詞のなかに「僕たちは年を取ることはないさ」みたいな下りがあって、現実的にはあり得ないことですが、とても感情に響くフレーズなんですよね。それこそが、子ども時代の純真さや甘さを象徴しており、この映画のエッセンスでもあると言えるのではないかなと。ビリーというキャラクターがそれを体現してくれていますが、このフレーズにはすべてが内包されていると思います。
実は、最初にこのタイトルにしようとしたとき、「ビリーが性的対象として読み取られる可能性がある」