2016年10月3日 20:00
コンプレックスを逆手に? 西川美和「私の後悔を綴った」
でも、そのときはそう考えられなかったんでしょうね。「結婚すれば幸せになれる」みたいな世間一般のスタンダードに対しても懐疑的で、そこで自分が満足できるとも全く思ってなかった。
――それは作品にも出ていますね。
西川:そうですよ。私の後悔を綴ったような(笑)。生活らしい生活を二の次にしながら
20代を過ごすと、あんなふうになっちゃうぞと。
――映画を作ることが西川監督にとっての免罪符だったんですね。
西川:そこに救われてきた部分はありますね。
映画があるから自分を肯定して何とか生きてくることができた。結果、良かったのか、悪かったのかはわからないですけど。
――衣笠さんのように、検索エンジンで名前をエゴサーチしたこともありますか?
西川:あります。出てしまったものは、見ちゃいますよね。だって、「西川美和」と入れたら、関連検索ワードで「結婚」と出るんですよ!誰と!?って。それをクリックせずにいられるほうがおかしいですよ(笑)。でも、そういうことをしていると、気持ちが痩せていくというか、どんどん自信がなくなっていく。その行為全体が自分の卑しさを見るようで。
でもそれをやめられないのも人間の性ですよね。