2021年12月31日 21:00
『ガラスの仮面』美内すずえ、長期連載ゆえの悩みとは?
人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。美内すずえ先生の登場も今回でひと区切り。最終回となる第4回は、長期連載ゆえの時代との難しい関係、そしてヒロインと同じくらい人気のあの人のお話です。
普遍性と流行、そのバランスに悩んだ結果…。
私は、雑誌は時代を反映する“生き物”のような存在だと思うので、雑誌で連載されている以上、マンガも時代を取り込むべきものだと思っています。でも『ガラスの仮面』が10年続いたとき、流行を取り入れることで逆に作品が古くなると思い、10年後、20年後に面白いと思ってもらうために、時代性を一切排除することを決めました。でもどうしても抗えなかったのが、携帯電話問題(笑)。私もすごく悩みましたが、いつまでも公衆電話では、新しい読者さんは違和感があり物語に入れませんよね。
結果、42巻で初めて携帯電話を描き、今はスマホも登場しています。
マヤはいまだにアパートの黒電話ですが(笑)、ピンク色の公衆電話、カード式、折りたたみの携帯、そしてスマホ。改めて考えてみると、電話は本当に時代の影響を受けていますよね。なるべく違和感なくその変化を描くよう工夫はしているつもりなので、そういったところも楽しんでもらえたら嬉しいです。