2022年1月7日 20:30
ブレイディみかこの未来を決めた、アイルランドで出会ったおばちゃんの言葉
ふとした瞬間に、誰とでも心でつながれることがある。そう知っておくことは、気持ちを楽にしてくれるかもしれない。
「もし“つながりを感じられる言葉”を聞くために、一生懸命その人との関係性を築いているとしたら、結構息苦しいじゃないですか(笑)。無理に深くつながろうとすると、“自分はこの人を信頼しているけど、相手はどうなんだろう”と気にかけすぎたり、“この人を逃したら私にはつながれる人がいない”と、つながりを死守しようとしてしまったりしがち。そんなふうに、既にある特定のつながりにすがるより、人間は見ず知らずの人とも心でつながれる力を備えている、ということを信頼するのが大事なんじゃないかって。それに、日本って割と立場を大事にするところがありますよね。親だからこうしなきゃいけないとか、恋人だからこうしないといけないとか…立場がゆえの気負いがあるというか。でも、本当のつながりや深い関係性って、立場とは異なるものだから。
そんな気負いがないところから、ふっと誰かを救うような、真摯でピュアな言葉が出てくるのかもしれないですよね」
イギリスの公立中学校に進学した息子の日常を通して、子どもの成長、社会制度の歪みとその背景にある問題など、ブレイディさんの様々な気づきを記した著書『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。