2022年1月25日 19:10
主人公は“人間とチンパンジー”のハイブリッド!? 人類喫緊の課題を問うコミック
人間とチンパンジーとの間に生まれたハイブリッド〈ヒューマンジー〉のチャーリー。理解ある人間の両親に育てられ、極めて優れた頭脳と身体能力の持ち主に成長。地元の高校に入学し、チャーリーが学校生活になじめるように寄り添ってくれるルーシーとの関係を深めていく。一方、動物解放を求めてテロ活動を繰り返す「動物解放同盟(ALA)」は、チャーリーを仲間に引き入れようと過激な手段に訴えるようになり…。「このマンガがすごい!2022」オトコ編10位にランクインした注目作『ダーウィン事変』。その著者が、うめざわしゅんさん。もともとネオダーウィニズムやポピュラーサイエンスが好きで、関連書などを愛読しているらしい。
「何が人間を定義するのかという生命倫理を問うテーマで『もう人間』(『えれほん』に収録)という作品を描いたことがあり、本作はそれを発展させた思考実験的な内容になっています。
もしチャーリーみたいな存在が生まれ、人間と動物の境界が崩れると、人々はどういうふうに反応するだろうと。そういう面白さは生まれると思いました」
うめざわさんはマンガを通し、自然との調和や動物保護、生命倫理、差別、人権など人間がいまだ明確な答えを出せない問題に広く言及していく。