くらし情報『木村綾子&前田エマ「直接的な性描写よりずっとノックアウトされた」 文学の“焦がれ”』

2022年3月5日 18:40

木村綾子&前田エマ「直接的な性描写よりずっとノックアウトされた」 文学の“焦がれ”

自身の性的指向とアイデンティティに苦悩する青年の告白小説。「直接的な性描写があるわけではないのに、たとえば聖セバスチャンの殉教図を見た〈私〉の内面描写で『ああ、射精したんだな』とわかるんですよね。言葉で官能の魅力を味わえる一冊」。新潮文庫新装版 649円

前田エマさんselect

『本格小説』水村美苗
歴史のうねりと運命的な愛を描く、日本版『嵐が丘』。
アメリカンドリームを掴み凱旋帰国した東太郎と、軽井沢のお屋敷の娘・よう子の引き裂きがたい絆はどうやって生まれたのか、運命的な愛に翻弄された登場人物たちの生と死を追う。「冨美子の語りの行間から伝わる太郎への思いが切ないです」。新潮文庫上巻924円、下巻825円

『蝶々の纏足(てんそく)・風葬の教室』山田詠美
息を詰めるように読む、少女期の繊細な心の動き。
〈私〉が語る幼なじみのえり子との関係と成長を描く「蝶々~」を含む全3編を所収。
「『風葬~』を、村田沙耶香さんがインタビューで“人生でいちばん読み返した小説”に挙げていたので、手に取った本なのですが、『蝶々~』にもとても感動しました」。新潮文庫572円

木村綾子さん(写真右)文筆家。中央大学大学院にて太宰治を研究。

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