2016年11月21日 21:41
和歌をツイッターに投稿!? 光源氏がタイムスリップするコミックが“いいね!”
出だしを聞いただけで、面白さを確信してしまう物語がときどきあるが、えすとえむさんの『いいね!光源氏くん』はまさにそれ。何しろ、あの平安のプレイボーイが現代に迷い込んでしまうのだから。
「中学のときに『あさきゆめみし』というマンガを読んで、その影響で『源氏物語』の現代語訳や原文も手に取ってみたのですが、当時はわりと女の人にスポットを当てて読んでいたんです。大人になって光源氏を冷静に見てみると、いくらイケメンだからといってあんなにたくさんの女性を悲しませるなんて、ちょっとないわと思って(笑)。その感覚のままで現代に来ちゃったら面白いかもしれないと思ったんですよね」
光源氏がタイムスリップする先は、都内でひとり暮らしをしている27歳のOL・藤原沙織の部屋。彼女は“光源氏を名乗るコスプレ男”を半信半疑で居候させるのだが、スマホやら抹茶フラペチーノやらネイルやら、現代カルチャーと遭遇する彼の反応が、「まあこうなるよね」とある程度予測できるのにいちいち笑えてしまう。しかも彼は、何かに感動するたびに和歌を詠み、ツイッターに投稿までしてしまうのだ。
「この時代の貴族は嬉しかったり悲しかったりしたときに、日常的に歌を詠んでいたと思うのですが、その感覚がツイッターやインスタグラムなどのSNSとフィットする気がしたんです。