2016年11月21日 21:41
『ヘンリー四世』の浦井健治「ときどきとっ散らかる自分を楽しんでいます」
シェイクスピアの歴史劇で第一部だけでも約3時間、二部を通しで観たら6時間超…。そう聞くと、何かの修行?と感じそうなものだけれど、'09年の『ヘンリー六世』からスタートした新国立劇場のこのシリーズは、長時間もまるで苦にならないほど、めっぽう面白い。
「最初に台本を読んだ時は、堅いし難しいし、まったくセリフが頭に入ってこなくて大変でした。でも、稽古場で人が口にした途端に、言葉がものすごくエネルギーを放ち始めたんです。セリフの裏にある役の背景が見えてきたり、口にしていることとは真逆の気持ちが生まれてきたり。
シェイクスピアは400年経っても何も変わらない人間の根底を描いているんですよね。観れば、こういう人いるな~とか、うちの家族もこんな感じだな~とか、きっと、舞台を斜めに見ながら笑ったり共感したりしてもらえると思います。頭で難しく考えるより、むしろ感覚的に観ていただくほうが、わかりやすく楽しめるのかもしれません」
そう話すのは、いまやこのシリーズになくてはならない浦井健治さん。これまでにヘンリー六世、ヘンリー七世を演じてきたが、今回は『ヘンリー四世第一部-混沌-・第二部-戴冠』で同じ血脈に繋がるヘンリー五世に扮する。