2022年5月15日 19:10
中村倫也「腐ってクズ人間になりかけたんですけど…」 俳優としての転機
とはいえ、舞台になれば、演出家という存在がいるとはいえ、あるところでその手を離れて俳優たちに委ねられるもの。
「たしかに、舞台は演出家がいろいろ決めてくれたり整えてくれたりはしますけど、いざ本番が始まれば俳優次第。幕が開いてもなお、それぞれが勝手に芝居を上へ上へと伸ばそうとして、千秋楽が終わってもまだ反省しているくらいの探究心とか向上心みたいなものがある人たちが揃うと、いい作品が作れますよね。自分もわりと、放っておいてもそういうことをしているタイプではあります。モノづくりにおいての正解って、やる人や受け取り手の数だけあると思うんですよ。そういうものだし、そこがいいとも思うし。ただ、確実に不正解っていうのはあって、その不正解を踏まなければOK。そう考えると、OKラインは低い世界なのかもしれないですよね」
それは演じた王子も同じ。
「若く才能があるクリエイターが出てきて、自分の手がけた作品の裏で彼女が監督するサバクが放送されるわけです。視聴率のこともあるし、王子としては瞳は意識せざるを得ない存在ではあったと思います。ただ、サバクをシンプルに褒めていたりもして、すごくスポーツマンシップがあるっていうかフェアな人でもある。