2022年5月24日 18:10
行方不明の幼なじみが発見されるもその正体は…SNSでも話題の青春ホラーコミック
ゆえに、彼は結構涙もろい。不気味さの片鱗が現れてぞっとするシーンもあるのに、よしきも、そして読者も、彼を突き放せない。
「ヒカルは人外ですが、読者に可愛いと思ってもらいたい気持ちはあります。よしきは闇を抱えているわけではないけれど、自己肯定感が低い。誰もが大なり小なり持っているようなネガティブさがあって、そこに共感してもらっている気がします」
また、前提として、
「ヒカルを単純に邪悪なものとして描きたくないんです。人間の価値観とは違うかもしれないけれど、それが悪とは言い切れないですよね。善か悪か掴みきれない曖昧さは残したい。よしきが元の光と違うと知っても葛藤し続けるのはそのせいで、仲良しなままのふたりを見ていたい」
全体的にダークな色調の画だが、そのスミ(黒)のグラデーション表現がとても繊細。
「トーンはあまり使わず、できるだけカケアミで描いて濃淡を出したくて、頑張っています(笑)。その割合の多さ少なさで感情や緊張を演出するのがこだわりかも。ヒカルの変体(メタモルフォーゼ)も、グロテスクというより、見ようによっては美しい模様みたいに見えるように意識しています。白石晃士監督やギレルモ・デル・トロ監督作品、海外のおしゃれなホラー映画とかには影響されている気がします」