2022年5月27日 19:00
居場所がない…耳が聞こえない親を持つ子どもたちの「知られざる現実」【映画】
日本にも「J-CODA」があり、同じ経験をしてきた仲間同士が話せる場を作っています。日本の場合は、まだ自分がコーダであることに気がついていない人が多い印象です。実際に話をすると、「世界で自分だけかと思っていた」という人もいます。コーダについて知り、仲間がいることがわかれば自分自身との付き合い方に良い変化もあるかと思います。日本で、どうやってコーダのアイデンティティを作っていくのかについては、コーダという言葉が広まってきたこれからが大事になってくると自分は感じています。
コーダの言葉によって、人生が変わった
―本作に出演しているコーダの子どもたちとは3年にわたって交流がありましたが、取材のなかで彼女たちから学んだことも多かったのでは?
監督そうですね。特にナイラから最初に「コーダを理解できると思わないでほしい。私の物語は私のものです」と言われたのは決定的だったと思います。
あの言葉がなかったら、僕は取材という名目で他人の苦労や人生を代弁してしまうような制作を続けてしまっていたと思うので。
そう言われて以来、僕はこれまで積み上げてきた技術を一回すべて捨てなければいけなくなったので、人生が変わりましたが、すごく感謝しています。