2022年6月9日 19:30
「日本は世界で最高のドキュメンタリーを生み出した」映画オタク監督が語る日本映画愛
出世のために自分のアパートを上司と愛人の密会場所として提供していた男が、想いを寄せる女性もアパートに出入りしていたことを知るロマンティック・コメディです。この作品からは、恋愛というのは甘くて喜びをもたらすものではあるけれど、同時に苦みやつらさももたらすものであるというのを感じられると思います。
―続いては、仕事のモチベーションを上げてくれる1本を教えてください。
監督こちらもアメリカ映画になりますが、1980年にジェーン・フォンダが主演を務めた『9時から5時まで』。それぞれに事情を抱えた女性たちが職場で搾取されている様子を映し出した作品で、モラルやジレンマもきちんと描きつつエンタメ度の高い作品となっています。
日本には素晴らしい監督がたくさんいる
―3つ目のテーマは、コロナ禍や戦争など厳しい社会状況のなかで生きる私たちがまさにいま観るべき映画です。
監督2本ご紹介したいのですが、はじめは1947年の小津安二郎監督作『長屋紳士録』。戦後まもない頃に、ある女性が孤児を引き取ることになるところから始まります。
最初は、2人の関係があまりうまくいっていないように見えますが、その裏には人間愛が満ち溢れているので、大変なときだからこそ生き抜く姿がいまに合っている作品ではないかなと。