『犬神家の一族』が新たにドラマ化! 脚本・小林靖子が明かす、ストーリー作りのこだわり
横溝正史の推理小説・金田一耕助シリーズの人気作品であり、昭和25年の発表以来何度も映像化されてきた『犬神家の一族』。遺産を巡る一族の争いを描く本作を、新たにドラマ化。脚本は仮面ライダーシリーズや人気アニメを手がけてきた小林靖子さんが担当する。
「原作には、舞台設定の面白さやインパクトのある出来事、小説ながら映像的な部分が多く、見る者を飽きさせないエンターテインメント性があります。また、心情をあまり事細かに描きすぎないので、いろいろな想像ができる。これだけ何度も映像化されている有名な作品なので、ミステリーとしてびっくりさせる要素はすでに搾り取られていますが、スポットライトを当てる場所によって見え方が変わる、懐の深さがある作品だと思います。市川崑さんの『犬神家の一族』が大好きで、それが根底にあるのですが、今回は原作から映像化するということに意識を集中。とにかく市川監督版を忘れようとしながら頑張りました」
スポットライトを当てたのは、遺言を残し他界した犬神佐兵衛の長女・松子の心情。
「市川監督版を何回も観る中で、松子の心情だけが読めないと思っていたところがあり、そこを描こうという思いが最初からありました。