脱ドルの動きが実現化する可能性も? 新たに6か国が参加する「BRICS」について
エジプトポンドは、対ドルで見ると、この1年で半分くらいの価値に急落してしまいました。これにはロシアによるウクライナ侵攻が大きく影響しています。エジプトは小麦の多くをロシアから輸入していました。戦争によりロシアからの輸入に制限がかけられ、小麦の価格が高騰。自国の産業の育成がうまくいっていなかったこともあり、経済危機を迎えていました。ですから、BRICSのようなアライアンスに属することは必須だったのです。
エジプトは日本にとっても重要な国です。日本に石油を運ぶには、エジプトのスエズ運河を通らねばならないので、ある種生命線のような場所です。
岸田首相は4月にエジプトの大統領と首脳会談を行い、これまで以上に強いパートナーシップを築くことを話し合いました。
欧米諸国が指導力を発揮していた頃から、世界の勢力地図は大きく変わってきています。中国やロシアなど権威主義的な国がアフリカや中東諸国を引き込み、アライアンスを拡大しつつあります。この綱引きの中、日本がどのようなイニシアティブを発揮するのかが問われています。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」