今年は世界的に観測史上最も暑い夏に…「地球温暖化対策」の現状は?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「地球温暖化対策の現在地」です。
温暖化対策見直し。経済逼迫で、EV転換に遅れの兆し。
イギリス政府は、2030年にはガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する政策を打ち出していましたが、それを5年延期すると発表しました。脱炭素社会に向けて、電気自動車(EV)への移行をいち早く推進していたのですが、まだ価格も高く、インフレが続いており国民の負担が重いため、現状では車の買い替えは難しいと判断。この背景には、コロナ禍やウクライナの戦争の影響も大きくありました。
EVへの転換はEUの中でも温度差があります。
ドイツは日本と同様に自動車が基幹産業で、ガソリン車が経済を支えてきました。ですから、フランスやイギリスがEVを推進することにものすごく反発の声を上げてきました。
日本の自動車メーカーもEV開発を推し進めていますが、世界に後れをとっています。三菱自動車は2012年に中国の企業と合弁会社を立ち上げ、EVで中国進出をしようとしていましたが、技術的にも競争に勝てないと、撤退を決めました。