くらし情報『スウェーデンでは「叩かなくても教育はできる」』

スウェーデンでは「叩かなくても教育はできる」

2016年8月17日 09:58
 

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(Photo by Zoe Campbell)

(Photo by Zoe Campbell)

昨今、メディアを賑わせている「体罰」の問題。 
手を挙げることは果たして「しつけ」なのか、「虐待」なのか。 
世界では、どのようにこの問題を捉えているのだろう。

 
 

「おっさんカット」のお仕置き

(Photo by rusty_fred)

(Photo by rusty_fred)

アメリカのアトランタにある美容院『A-1 Kutz』。 
この美容院は悪い子におしおきをする美容院。 
なぜなら、悪いことをした子の髪型をなんとも「ダサく」カットしてしまうからだ。 
この美容院が「お仕置きヘアカット」を始めたきっかけは、言うことを聞かない12歳の男の子をなんとかしようと、彼の父親が「もうこれ以上悪さをしたくなくなるような髪型にしてください」と頼んだことがきっかけだ。 
そして、この最初の「お仕置きヘアカット」は父親によってSNSにアップされ、それが広まり多くの親が「うちの子もやってください」とお願いする事態に発展した。 
今では、美容院『A-1 Kutz』は、1週間のうち3日間を「お仕置きヘアカット」専用の日とすることにしている。 
それも、教育のためならと「無料」でカットをしてくれるのだ。 
ちなみにこのヘアカットの効果はてき面で、多くの子どもが見違えるようにいい子になり、学校の成績も伸びるという。

 
 

「虐待」なのか……。多くの賛否の声が上がる

(Photo by Morgan Schmorgan)

(Photo by Morgan Schmorgan)

しかし、この行いがSNSに広まることによって多くの賛否の声があがった。 
これは、虐待ではないのかと言うのだ。 
「手を挙げるよりははるかにいい」と言う人もいたが、「子どもの心を傷つけている時点で体罰である」という全く反対の立場の人まで。 
そもそも、アメリカでは体罰に対して、グレーな部分が多い。 
まず、州によって体罰に対しての法律が違うのだ。 
そもそも法律で体罰を規制していない州もまだ19州もあり、それらの州では体罰を認める州法を未だに持っている。 
また、体罰が法律で禁止されている州でも、発覚すれば逮捕に繋がるが、特に家庭内は環境が閉鎖的であるため、子どもが外に助けを求められないケースも多い。 
子どもが助けを求められるような環境整備はまだなされていない。

 
 

「大人」も「子ども」も守る「親子法」

(Photo by sean dreilinger)

(Photo by sean dreilinger)

しかしそれとは反対に、きちっと法律で体罰を禁止しているのがスウェーデンだ。 
スウェーデンでは、1979年に「親子法」を可決し、親が子どもを育てる際に、子どもへのあらゆる形態の体罰またはその他の精神的虐待に当たる取扱いを、はっきりと禁止した。 
叩くことはもちろん、言葉で脅したり、押し入れに閉じ込めるなどの行為も親子法で禁止したのだ。 
これは世界初めての事例である。 
それではスウェーデンではどのように子どもたちを叱っているのか。 
それは、叱るのではなく囁いて慰めるらしい。 
例えば日本ではスーパーなどで子どもがぐずったなら「静かにしなさい!」と命令口調で制止してしまうが、スウェーデンでは小さい声で「イライラしてかわいそうね」と優しく言うそうだ。 
すると子どもは自分の力で理解をし、また大人も「怒らない」行為によってムダなストレスを作らないようになる。 
親と子、両者にとっていい教育法となっている。これは、大人をも守る法律なのかもしれない。
 
 

いじめのない国「ナンバーワン」

(Photo by Thomas Hawk)

(Photo by Thomas Hawk)

スウェーデンでもこの法律ができる前までは、体罰に肯定的な態度をとっていた。 
「叩かずにどのようにして教育ができるのか」と多くの人が疑問を抱いていたという。 
しかし、政府が体罰の恐ろしさを知らせるため、体罰が子どもに及ぼす影響を事細かに書いた冊子を各家庭に配ったり、広報キャンペーンを行ったりして理解を得た。 
今では牛乳パックにも「叩かなくても子育てはできる」と印刷をされている。 
また、このような家庭内での雰囲気があるため、学校での体罰に対してはそれ以上に敏感だ。 
体罰はほぼありえない。 
しかし、きちんと教育は行き届いており、スウェーデンの子どもの幸福率は非常に高く、スウェーデンのいじめの件数は先進国の中で一番低い。

 
 

教育で「違法」を犯してばかりの日本

(Photo by Armando Torrealba)

(Photo by Armando Torrealba)

欧州ではこのスウェーデンの例を筆頭に2004年には家庭、学校内での体罰を全面禁止した。 
しかしそれとは逆に、日本では未だに体罰に対する議論がなされている。 
ちなみに、日本の子どもの幸福度は6位とまずまずながらも、生活上のリスクはダントツの1位であった。 
これはいじめを受けたことのある子どもが約25パーセントいたことが原因である。 
家庭での叱り方によって子どもが手を上げられることに慣れ、そしてそれが学校で教師によって起こっても、はっきりと「悪」と言えない環境を作りだしているのであろう。 
スウェーデンの親子法にのっとるのであれば、日本は教育で「違法」ばかりを犯している。 
議論ばかりしてもなにも前には進まない。 
まずはスウェーデンのように言葉で脅すことも法律によってNOとしてしまう「親子法」のようなものの制定を考えてみてもいいのかもしれない。

 
via. The Washington Post, CNN.com, Instagram, 国立社会保障・人口問題研究所, Tatsumaru Times, 日経DUAL, セレクトオーストラリア, まんまみーあ, Friends 
 
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