2017年5月10日 08:46
“元ヤク中”で「現役バーバー」の男が、無料でホームレスの髪を切り続けて見つけた「人生に大切なこと」。
聞けばクリスさんには頼れる家族はおらず、わずか10歳の頃からホームレスとして生活をしているそうだ。「暑い日でも、学校で長袖長ズボンでいることは辛かった」と言うクリスさんの言葉の意味を問うと、それは「父親から受けた虐待の傷を隠すため、どんなに暑い日でも肌を見せた恰好ができなかった」ということであった。そんな彼にはどこにも逃げ場はあるはずもなく、10歳にして彼にとってはまだ“安全な聖域”であった路上で生活することを決めたという。その後は11歳にしてコカインに手を出し、最終的にはヘロイン中毒となってしまった。そんなクリスさんに対し、ナシールさんは数週間の間に2度のヘアカットを行い、本人の希望で顔の髭もサッパリと剃り上げた。そして2度目のヘアカットの後、明らかにクリスさんの表情は変わっていたという。 “最初はとっても臆病だった彼が、2度目のカットの時には冗談を言ったりしたんだよ。カットが終わって彼が鏡を見た瞬間の彼の表情は、僕が彼に会って以来最も幸せそうな顔だったね” この出来事はナシールさんにとって最も心温まる思い出となった。
“クリスは子どもの頃は辛い経験ばかりだったけれど、22歳以降の彼の人生が多くの愛と幸せで溢れることを心から願っているよ”