くらし情報『#001 「ミュージシャンは政治的発言とかしない方がいいって言うよね」。私が“日本の常識”を疑い始めた理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。』

#001 「ミュージシャンは政治的発言とかしない方がいいって言うよね」。私が“日本の常識”を疑い始めた理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。

それは「『集団的自衛権』を日本で容認するか否かの議論が国会で白熱している」という内容のニュースで、街行く人へのインタビュー映像なんかも流れていた。しかし、どの人も「賛成」とか「反対」とかはっきり意見する人は少なくて、どちらかというと「よくわからないけどなんとなく…」とか「え、全然わかんない」とか笑いながら答えている人の方が多かった。私はテレビの中の人たちをバカにできる訳ではなく、彼らと同じで、それについてどう思うかなんてよくわからなかった。 いつもの私ならそこで聞き流して終わっている。でも、気になってしまった。それはその時にテレビで流れてきた、銃を構えて戦闘訓練をしている自衛隊員たちの映像と共に「行けと言われたら行くしかないですね」「やられる前に自分がやらないと…」と話す彼らの張り詰めた言葉と表情がやけにリアルだったからだ。何かすごく不穏な空気を感じて、今この国で何が起きているのかきちんと確認した方が良い気がして、バイト帰りにスマホで調べ始めた。width=“100%"
/h2br /「集団的自衛権」とはざっくり言えば、strong他国との連携を強化するため、同盟を組んだ国からのヘルプ要請があれば、例え日本が攻撃されていなくても他国間の戦闘に駆けつけ、同盟国側を支援するという内容/strongだった。私はそれを知って、推進派の人が言う「同盟を強化することで日本も安全になる」という意見よりもstrong「自分たちが攻撃されてもいないのに、よその喧嘩に首を突っ込んでいったら、不要に恨みを買い危険にさらされることになる」/strongという反対派の意見に共感した。 分からないなりに調べて考えてみたけれど、周りの人はどう思ってるんだろう。やっぱり自分と同じようにあまり関心はないんだろうか。そう思って、Facebookに思ったことを書き綴ってみた。それまで政治的な発言なんてしたことがなかったから、いきなり何を言い出すのかとぎょっとされるかもしれないとか、どんな反応が返ってくるのかが怖かった。反論されてもどう答えたらいいか分からないし、もしかしたらブロックされるかもしれない。昔から割と言いたいことは言うタイプだった自分にとって、「意見を言うのが怖い」という経験自体がその時初めてだったように思う。
しかし、思いのほか反響は多く、投稿には「それ私も気になってたんだよね」というコメントや、長いこと会っていない知人や大学の先生からも賛同の言葉をもらって、言葉にしてみてよかったなあと思った。逆に「真面目かよ(笑)」と茶化されたり、気が付いたら友達にブロックやリムーブ(フォローを外すこと)されていたこともしばしばあった。少し悲しい気持ちにはなったが、想定していたことでもあった。br /br /centerimg src="http://beinspiredglobal.com/wp-content/uploads/2017/06/紅子_170619_0001.jpg" alt= width=“100%" class="size-full wp-image-2825" />

「一般的にミュージシャンは政治的発言とかしないほうが良いって言うよね」

音大卒業後、同期や後輩ら大人数で飲みに行ったことがあった。その頃私は、集団的自衛権のニュースから派生して既に色々な社会問題に関心を持つようになっていて、SNSで頻繁にそんな投稿をするようになっていた。

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