くらし情報『#001 「ミュージシャンは政治的発言とかしない方がいいって言うよね」。私が“日本の常識”を疑い始めた理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。』

#001 「ミュージシャンは政治的発言とかしない方がいいって言うよね」。私が“日本の常識”を疑い始めた理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。

それを見ていた友人の一人が「最近紅子の投稿読んでると色々考えさせられるよ」と声を掛けてくれたのをきっかけに政治の話は始まった。 すると、その場にいた一人の男の子が「でも、一般的にミュージシャンは政治的発言とかしないほうが良いって言うよね(笑)。大丈夫なの?(笑)」と私に言ってきた。彼は私を心配して忠告してくれたのかもしれない。だけど私はその一言に失望し、無性に腹が立った。彼自身に腹が立ったというよりも、「公の場で意見は言わない方が身のためだ」という理論が日本で「一般的(=常識、当たり前)」と認識されていて、それが疑問視されるどころか丁寧に遵守されている現実に失望し、腹が立ったのだ。width=“100%"
でもそう言った彼が好きだったのは、あろう事かパンクロックだった。パンクの起源はもちろん、そのほかの音楽にも、アートにもファッションにも、カルチャーの生まれる背景には必ず社会とそれに対する思想がある。 確かに、日本の地上波で流れる音楽番組を見ていて社会や政治の話が出てくるようなことは皆無と言ってもいいように思う。芸能人のSNSにも、社会や政治について何か書く人は多くない。それに対して、例えばアメリカは大統領選の時、多くのミュージシャンやセレブたちが大々的に支持する候補者をアピールするなど、自分の思想や意見を公表することに日本ほどためらいを感じていなかったように思える。その日本とアメリカの違いは何なのだろうか。 「日本人は和を大切にする」とか「出る杭は打たれる」といった言葉をよく耳にする。「出る杭」とは一体、誰から見たどんな存在のことなんだろうか。
確かに「私はこう思う」と意見を表明すれば、そう思わない人からの反論や、もっとすれば反感・失望すらも囁かれるかもしれない。どんなイシューだってYESもNOも言わずにいれば、衝突も摩擦も起きないかもしれない。だけど、表面的な「協調」や「和」を保つために思想や言論を尊重しなくなった社会に、多様性や自由なんて存在しなくなるのではないだろうか。いや、「多様性」とか「自由」なんて言葉自体、もはや当たり前にそこに在りすぎてピンと来ないかもしれない。 でも、食べたいものを食べ、着たいものを着て、学びたいことを学べる時代に生きている私たちから自由や多様性を奪ったら、そこに残るのはどんなに生き辛い世の中だろう。日本人が大切にすると言われる「和」なんて、そこにはもはや存在しないはずだ。strong「思想や表現(意見すること)は社会を作り、沈黙はそれを殺す」/strongと私は思う。centerimg src="http://beinspiredglobal.com/wp-content/uploads/2017/06/紅子_170619_0006.jpg" alt=width=“100%" class="size-full wp-image-2825" />

「常識」と「パンク」の狭間で想像力を働かせることが、自由を生み出すヒント。

別に、みんなが世の中で起きている全ての出来事を専門家みたいに語れる必要なんてない。社会問題って、思っているほど堅い話なんかじゃなくて、身の回りの至る所に存在している。 それは何も政治や社会問題という枠に限ったことではなく、日常のちょっとした出来事や、流行や価値観に対する疑問だってそうだ。というか、政治や社会問題というのは拡大すれば、そういう事を指すのだ。

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