くらし情報『穏やかな恋と冷静な恋。川上弘美を読みくらべ【女の本棚】』

2016年4月29日 17:45

穏やかな恋と冷静な恋。川上弘美を読みくらべ【女の本棚】

目次

・穏やかに恋する「センセイの鞄」
・冷静に恋する「ニシノユキヒコの恋と冒険」
穏やかな恋と冷静な恋。川上弘美を読みくらべ【女の本棚】


恋には、いろいろな形があります。
穏やかにゆっくり進んだり、急激に盛り上がってその分急降下してしまったり。溺れて自分自身を見失ってしまう恋もあります。

恋のなかにいるときに、激しさという恋の刃をむやみやたらに振りまわしてしまうと、相手を傷つけます。同時に自分も傷ついてしまいます。恋の刃は心の内に秘めておいて、いざというときの切り札にとっておくものです。

大人の女性の恋とは、そういうものです。

穏やかに恋する「センセイの鞄」

いつ恋がはじまるのか、自分でも予想はできません。会った瞬間に一目惚れする人もいれば、何年も友人関係を築いたのちに恋をする人もいるでしょう。

この連作短編集の主人公は、ゆうるりと暮らしているので自分がいつ恋をしたのか、おそらく気がついていません。読者のほうが、先に気がついています。

主人公のツキコさんは、遠回りしてから気がついています。自分に確実に好意を持っている人に対して少しばかり揺らいだときに「違うな」と思うのです。自分は上手く恋愛できないのではないかと思い、実は恋をしているのはあの人だとわかるのです。

そういえば、センセイばかりと一緒だった。
センセイ以外の人間と、隣あって酒を飲んだり道を歩いたり面白げなものを見たり、そういうことを、ここしばらくしていなかった。

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