2012年1月12日 20:27
『ヒミズ』染谷将太×二階堂ふみインタビュー 重なり合う若き魂、互いをどう見てる?
(Photo:cinemacafe.net)
2人が醸し出しているのは“独特の存在感”なんていう生やさしいシロモノではない。異彩、違和感…いや異物感?10代にして染谷将太と二階堂ふみは、ほかの同世代の俳優たちにはない、形容しがたい“何か”を身にまとっている。そしてそれは映画『ヒミズ』において、鬼才・園子温の手を介して化学変化を遂げ、衝撃と共に観る者の心を貫く。彼らの叫びは、言葉にならない魂の咆哮は、痛みはどのように生まれたのか?2人に話を聞いた。
「行け!稲中卓球部」などのギャグ漫画で知られる古谷実が笑いを封印して送り出した異色の漫画作品を原作とする本作。一切の夢も希望も持たず、ごくごく普通に生きることだけを望みつつも、そんな思いとは裏腹に絶望的な非日常に巻き込まれていく住田と彼を慕ってやまない茶沢の壮絶な青春を描き出す。さらには3.11の東日本大震災発生を受け、設定を「震災後の日本」に変更し、全ての撮影が終わった後で被災地での撮影が敢行された。
少年は佇む。
雨の中に、崩れ落ちた被災地の静寂の中に。もがき、這いずる。泥の中を。住田という役を演じる上で、園監督に染谷さんが与えられたのは、ただひたすらの“自由”。