2012年11月15日 23:19
堺雅人×山田孝之インタビュー 初共演にも達成感「ない(苦笑)」…その真意とは?
堺さんが作り上げた主人公・健一を見ても、多くの人はそれが堺さんだとにわかには信じられないのではないだろうか。分厚いメガネの奥の表情は常にこわばり、今回ばかりは多くの人を魅了してやまないあの微笑みを拝むことはできない。演じるにあたって赤堀監督から伝えられたのは「ゴールするのではなく、葛藤の極致、ジレンマの極致のまま終わりたい」ということ。
「やる側としては落ち着かないですよ。答えがないから収まりが悪いですよね。ジレンマというのはどちらかの間にある状態。どこかに答えを見つけた時点で『そうじゃない』となるわけですから。“葛藤”という言葉すらも収まりがよすぎて、赤堀さんの中では違ったんじゃないかと思います。
葛藤かどうかさえも分からないモゴモゴしたところで何かやりたかったような気がしますね。手応え?ないないない(苦笑)!!手応えを掴んでしまえばその時点で足が止まる。赤堀さんはそんな瞬間を嫌ったんじゃないかな」。
では、演じ終えた後で改めてふり返ったときに健一という男や物語について理解できたことや掴めたものは?そう尋ねても、やはり堺さんの口から確固たる答えは出てこない。「赤堀さんが書いて自分で舞台で演じた作品をリライトしてほかの誰かに任せるというとき、そこにはすごく高い期待値やハードル、そして本当は自分で演じたかったという思いもあるんじゃないかと思うんです。