2015年6月26日 13:30
【シネマ羅針盤】園子温監督、止まらぬ快進撃…その原点を描く『ラブ&ピース』
止まらぬ快進撃を見せる園監督の“原点”がここにあるのだ。
さらに全編を通して、捨てられ、忘れられたモノへの温かなまなざしが注がれたファンタジーになっており、誤解を恐れずに言えば「とても見やすい」「誰もが楽しめる」作品に仕上がった。オタク気質全開だった80年代のティム・バートンの世界観に、『ベルベット・ゴールドマイン』や『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』といった「夢の残酷さ」を描く傑作ロック映画のテイストが加味されており、洋画ファンも受け入れやすいはずだ。
最近、印象的だったのは園監督が綾野剛、沢尻エリカらを引き連れて、新宿・歌舞伎町のレッドカーペットを闊歩した瞬間だ。それだけでも、園監督がつかんだ成功の大きさがわかるが、その様子を完成したばかりの新宿東宝ビル8階のゴジラが見下ろしていて…まるで『ラブ&ピース』のワンシーンのようだった!25年前に思い描いたイメージが、こうして現実になると誰が想像できただろうか?園監督には“見えていた”かもしれないが。
『ラブ&ピース』は6月27日(土)から全国にて公開。
(text:Ryo Uchida)
■関連作品:
ラブ&ピース 2015年6月27日よりTOHO シネマズ新宿ほか全国にて公開
(C) 「ラブ&ピース」製作委員会
城桧吏、中国映画に初参加『最好的朋友』でトリプル主演へ