2015年7月30日 18:30
【シネマ羅針盤】実写版『進撃の巨人』、原作知らなくても楽しめる?
もちろん、VFXも併用されており、日本独自のハイブリッドな質感は、海外のファンに新鮮に映るはずだ。
一方、ダークファンタジーの空気と、日本人俳優の相性の悪さを感じてしまうのも事実。これは原作イメージとの比較やキャスティング、演技の良し悪しといった、いわゆる“コレジャナイ感”とはまったく別次元のお話。もっと生理的な「何か、むずがゆい…」というレベルの違和感であり、それを克服するには、映画本編98分(前編)という上映時間は短いのかも。演じる側にとっても、原作キャラとの距離感が難しかったのではないか。
とはいえ、実写版『進撃の巨人』は、原作を知らなくても(知らないから?)、十分楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっていた。原作ファンの間では早速、賛否両論が巻き起こっていると聞くが、バラエティ豊かな話題作がそろった今夏の映画シーンでは、異色の存在感だ。話題性の割には、なかなか興行的な結果が伴わない“邦画の2部作商法”に対しても、『進撃の巨人』前後編の成績次第で、一定の結論が下されることだろう。
前編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は2015年8月1日(土)、後編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD』は9月19日(土)より全国東宝系にて公開。(text:Ryo Uchida)
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