2015年11月24日 21:00
【シネマ羅針盤】ついに完結『ハンガー・ゲーム』現象がもたらした“革命”とは?
(Photo:cinemacafe.net)
全世界興収が23億ドルを突破する人気シリーズの完結編『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』が公開中だ。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した『ハンガー・ゲーム』現象が映画業界にもたらした“革命”とは?
独裁国家が支配する近未来を舞台に、妹の身代わりにハンガー・ゲームと呼ばれる若者同士の死闘に身を投じた主人公・カットニスが、やがて反乱軍のシンボルとして立ち上がる姿を描く本シリーズ。原作は2008年に発表されており、いわゆるYA(ヤングアダルト)文学のジャンルに位置付けられている。『トワイライト』シリーズの成功を機に、ハリウッドはこぞってYA文学を映画化したが、いまやその代表格は『ハンガー・ゲーム』となった。
世界各国で旋風を巻き起こした最大の要因は、主演を務めるジェニファー・ローレンスの存在にほかならない。当初は「原作に比べて、年齢が高すぎる」という声もあったと聞くが、持ち前の優れた演技力を武器に、傷つきながらも自らの生き方を模索し、愛する者のために奮闘する複雑な内面を表現。男社会であるハリウッドが生み出す都合のいい“戦うヒロイン”像を一蹴し、若者が自己投影できる等身大のキャラクターを誕生させたのだ。