2016年12月29日 13:30
【インタビュー】異例の大ヒットを続ける『この世界の片隅に』 片渕須直監督が明かす“この映画が目指したもの”
「スタジオの中には常に広島弁がわかる人に複数いてもらって、僕たちも広島弁に慣れるようにしました。作業をずいぶん繰り返す中で段々ニュアンスが掴めて来て、あっ今の広島弁は違うな、と自分たちでもわかるようになっていきました。そうした試行錯誤の結果として、映画を見てくれた広島のお客さんから“登場人物がみんな自分たちのおばあちゃんの時代の言葉を喋っていた”という感想をもらいました。“いまの広島弁ではない”ということなんですよね。映画を通じて“うちのおばあちゃんには、あんな可愛らしい娘時代があったんだなぁ…”と感じてもらえる広島弁が作り出せていたということですよね」。
映画の舞台となった広島の観客が監督に投げかけた嬉しい言葉。監督は早速、のんさんにその感想を伝えたところ、彼女から「“広島弁”と“昔の雰囲気”という二つの課題がクリアできていたんですね!良かった!」というメッセージが帰って来たとのこと。「彼女はやっぱり演じることが好きなんだなと思いましたね。
闇雲に台本の上の台詞を感情的にぶつけていくのではなくて、きちんとすずさんという人格を彼女の中でイメージしようとしていました。彼女自身が不自然さを感じないすずさんのキャラクターを掴んでいった。