歌舞伎の世界に入ってからはそれが難しく、昨年は1本も参加していない」と51歳の近況に触れると、「新たな僕の人生として再び映画の賞をいただけたことが新鮮」としみじみと喜んだ。一方で、来賓の東映株式会社 岡田裕介代表取締役グループ会長から、23歳頃に東映映画に出演した際、「君ね、役者の才能ないからやめなさい。見るに忍びない」と言われたことを明かしつつ、「会長、俳優を辞めなくて良かったです!」と皮肉たっぷりに投げかけ、会場を沸かせた。
ダメ男の再生を描いた映画『永い言い訳』で主人公・幸夫を演じ、男優主演賞を獲得した本木雅弘は、「話題作が多く、激戦区の(俳優部門の)中で唯一授かった一冠でございます。非常に貴重で噛みしめております」と感慨深げな表情。また、「宣伝活動で煩悩の数108回のインタビューを受けて気が楽になるかと思いきや、芝居に対する反省が深まるばかりで、まさに永い言い訳が止まらない感じ」「主役としての出来栄えは『聖の青春』の松山ケンイチさんの方が上」と自虐コメントで笑いを誘うも、「身から出る錆を自分の持ち味として出していけるような役者を目指していきたい」と熟年を迎え、なお一層進化することを誓った。(text:cinemacafe.net)
24年後の再会シーンは俳優たちも初対面『パスト ライブス/再会』特別映像