2017年2月28日 19:00
【インタビュー】マイケル・ファスベンダー 俳優・製作者として望むのは“いい物語”
15世紀のスペインで信念の戦いを繰り広げる戦士アギラール・デ・ネルハと、彼の運命を追体験する子孫カラム・リンチだ。「まずはアギラールの撮影をし、その後にカラムの撮影をした。だから、一人二役の難しさはそれほどなかったんだ。シーンによっては、それぞれの役を同じ日に撮ることもあったけどね。そのときは髭をつけ、ウィッグをかぶり、髭を取り、ウィッグを外し、また髭をつけ…。着脱に1時間半はかかるし、面倒だったことは認めるよ(笑)」。
また、両者にはアクションシーンにおける違いも。中世の街並みを駆け抜けるアギラールに対し、カラムは祖先の記憶を追体験するための特殊な装置につながれている。
「カラムのアクションはワイヤーに吊られながら行ったのだけど、ワイヤーを固定するハーネスはすべての男にとって苦しいものだよ(笑)。アギラールのアクションの方が断然楽しかった。猛暑のマルタ島で中世の衣裳を着るつらさがあったとしてもね。ただ、それぞれのシーンで僕が学んだのは、どんなアクションにも感情を伴わせられるということ。カラムの感情も、アギラールの感情も、アクションを通して語ることができたと思う」。
たしかに、本編の大半を占める彼らのアクションから、その心中が伝わってくる。