2017年4月22日 15:00
『ゴースト・イン・ザ・シェル』何故ヒロインが日本人じゃなかったのか?足を引っ張った“ホワイトウォッシュ”批判
その時期に流行ったのが「ホワイトウォッシュ」という言葉だ。ほかの人種をまじえず白人ばかりで彩られたイベントを軽蔑した造語で、文字通りWHITEとWASHを組合せ、「白で洗い流された」という意味合いである。
ホワイトウォッシュという形容詞は、『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャスティングが発表された時点から、この映画に対して頻繁に使用されていた。アメリカ国内のアニメファン(結構な数の映画ライターも含む)は、ともすると日本人よりも日本を愛し、日本の美たるものに対しても日本人にはないレベルの敬意を抱いている人が多い。そんな彼らは日本人には程遠いスカーレットが「少佐」役に抜擢されたと聞き、「ヒロインは日本人のはずなのに白人女優にすげ替えるとは失礼の極み!」と怒り心頭したわけだ。Care2.comという署名サイトでは「少佐」役の変更を求める署名サイトが立ち上げられ、なんと100,000の署名が集まったという。製作スタジオのパラマウント・ピクチャーズ製作責任者が業界誌のインタビューで、日本アニメのファンの熱心さに敬意を払いながら製作を進めてきたと語っていた。彼らを味方に付けることがいかに映画のPR大切かは理解していたが、今回はうまくいかなかった、と。