くらし情報『【シネマVOYAGE】人と人との心の繋がり――フィリピンのスラム街で描く生きるための旅『ブランカとギター弾き』』

2017年7月19日 16:00

【シネマVOYAGE】人と人との心の繋がり――フィリピンのスラム街で描く生きるための旅『ブランカとギター弾き』

また『シティ・オブ・ゴッド』『デザート・フラワー』『トラッシュ! この街が輝く日まで』『鉄くず拾いの物語』などを観たときにも感じたことだが、映画の主人公たちの過酷な生活環境に驚かされる以上に、彼らの生命力や勇気、愛情、諦めない気持ちに心打たれる。『ブランカとギター弾き』もそうだ。ラストシーンのブランカとピーターの“あの表情”は決して忘れることはないし、彼らからたくさんの生きるヒントをもらった。

その感動を描き出したのは、本作が長編監督デビューとなる長谷井宏紀監督だ。日本人として初めてヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を得て製作、ヴェネツィア国際映画祭で2冠(※1)、各国の映画祭で数多くのグランプリを獲得している。彼のキャスティング方法がユニークだ。盲目のギター弾き役をフィリピンの路上でスカウトし、ブランカ役はYouTubeに歌っている動画をあげていた素人サイデル・ガブテロに声をかけた。ドキュメンタリーではないけれど、ものすごいリアリティを受け取るのは、そんな一風変わったキャスティングの力も大きい。
何より長谷井監督自身が世界中を旅してきた人であるからこそ生まれた発想、出会い、メッセージ──やっぱり旅はいいなぁと思ってしまう。

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