2018年5月25日 07:30
【インタビュー】ウェス・アンダーソン、飛行機嫌いの天才監督が描く“旅”と日本
“ドッグ病”が蔓延し、横暴な市長が犬たちを“犬ヶ島”に追放する物語で、愛犬を捜しに犬ヶ島を訪れる少年アタリを新星コーユー・ランキン、アタリを助ける犬たちをブライアン・クランストン、エドワード・ノートンらが演じている。
「コーユーやブライアンの配役は、かなり早い段階で決まった。だから、(2人の演じる)アタリとチーフは彼ら自身から影響を受けたキャラクターと言えるかもしれないね。見かけも似ている気がする(笑)。でも、それは珍しいケースだよ。配役が決まるまで、僕自身が代役の声優になって仮の録音を行ったキャラクターもいる。なのに、どのキャラクターも不思議なもので、パペットが喋ったり、動いたりしている映像はもちろん、無言で静止している映像からも声優の魂が感じられる。興味深いことにね」。
「2つの演技」が生み出した物語はエモーショナルで、やはりウェス・アンダーソンらしさを感じさせるもの。アタリと犬たちが犬ヶ島で旅を繰り広げるように、これまでも彼は“旅”を描いてきた。それは心の旅だったり、実際の旅だったり、謎を巡る旅だったり。少年と少女が逃避行という名の旅を繰り広げる『ムーンライズ・キングダム』もあった。