2018年10月5日 11:45
【インタビュー】岩田剛典、新境地を開いて見据える新たなビジョン「現状維持で満足しない」
苦しみを越えた姿に説得力を持たせる具体例が、車いすでの演技だ。自分の脚として使いこなし、車いすバスケットボールのシーンもある。見事に体の一部にしているが、多忙を極めて時間も限られた中、どうやって身につけたのだろう。
「天才なんですかね、やっぱり(笑)」とまずジョークで切り返しながら、「でも、練習は必要でした。日常生活の動きは結構すぐにできましたけど、バスケットボールには苦労しましたね」とふり返る。
「バスケとなると、マシンも変わるんです。高さが変わるだけで恐怖心が増す。それも実際乗ってみないと気づけないことです。
スピードもものすごく出るし、右手でドリブルするときは左手が足なので、車輪を左手でこいで…」と複雑な動きを強いられる。パラリンピック出場者もいる社会人チームと練習し、彼らと一緒の出演シーンは1日ですべて撮りきった。「決めカットもありますが、長回しでずっと試合を撮って。ドキュメンタリーみたいな感じです。実は一番体力的にはきつかったです」。
困難を乗り越えるために必要なのは“努力”「結果が自信につながる」
樹は事故で脊髄を損傷し、胸から下が麻痺しているという設定。「腹筋が使えないので、例えばあいさつするなら、どこかで自分の体を支えなければならない。