2019年7月22日 21:00
エミー賞本命!視聴者の心を翻弄しながらアラサーの日常をコミカルに描く人気ドラマ「フリーバッグ」
母親は数年前に乳がんで死別し父とはたまに会うくらいで疎遠な上に、父の恋人は自分の代母であり芸術家でかなりのくせ者。しかも共同経営者の友人を不慮の事故で亡くしているという、パッとしないどころか不びんな境遇にある。視聴者としてもさすがにこれは哀れだなと同情せざるを得ないキャラクターでありながら、フリーバッグ自身はケロっとしておりジョークを交えながら彼女の日常を笑い飛ばして生きている。
The Hollywood Reporterのインタビューによると、「フリーバッグ」とは「不潔な人」という意味で、もともとはフィービーのかつてのあだ名だそうだ。だが一方でこのドラマはフィービーの自伝ではないと数々のインタビューできっぱりと答えている。生粋のロンドン子であり、父親は会社を創業しており、いわゆる良いところのお嬢さんでもあるフィービー。自伝ではないが、フィービー自身が人生で感じていることをエッセンスとして投影しているそうだ。彼女が生きる中で感じる、ふとした感情をふんだんに盛り込んだドラマ「Fleabag フリーバッグ」は、“不潔な人”の個性的なストーリーながら視聴者の心にそっと近づきぐっと離さない魅力がある。