2019年9月13日 17:00
【ネタバレあり】『アス』を徹底解説!ジョーダン・ピールの世界を読み解く5つのキーワード
その暗示に気づいたとき、自分は心底ゾッとしましたね。
キーワード3:ウサギ
オープニングクレジットのシーンから、こちらも意味深な存在として出てくる膨大な数のウサギたち。ジョーダン・ピールによると「子どもの頃からウサギが苦手だったんだ。目が赤いのが怖くて」とのことで個人的な恐怖の象徴でもあるようだが、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』でアリスを地下の世界に誘ったのも、キリスト教のイースター祭で卵を運んでくるのも、ウサギだ。ここでは、それらに加えてもう一つ解釈を。13世紀にイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが、今も数学界で用いられている「フィボナッチ数」を発見する際に解いたのが「ウサギの問題」。以降、欧米においてウサギは「無数に増えていく個体」の比喩となっている。とすれば、ウサギたちがいた場所が「もう一つの世界」であったことの意味はより深まるだろう。
キーワード4:80年代ホラー映画からの引用
ルーニーズの「I Got 5 On It」が初めて映画の劇中で使用されたのは『エルム街の悪夢』シリーズ。長男ジェイソンが被っているお面/プルートーが被っているマスクのイメージの源流は『13日の金曜日』シリーズ(そもそも名前がジェイソン!)。