ホアキン・フェニックス、“愛を求める”ジョーカーのように追求する俳優人生

主演作『ジョーカー』が、第76回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞の金獅子賞を獲得。続く第44回トロント国際映画祭では、今年から新設された俳優に対する功労賞「トリビュート・アクター・アワード（TIFF Tribute Actor Award）」をメリル・ストリープとともに初受賞したホアキン・フェニックス。

彼が『ジョーカー』で演じたのは、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーなど名優たちが演じてきた不気味で極悪非道なジョーカー像とは少し異なる。生きづらさを抱えた孤独な男が“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌していく物語を、“独壇場”ともいえる形で演じ切った彼は、いまアカデミー賞に最も近い俳優のひとりだ。3度の同賞ノミネートを誇る壮絶な演技派ホアキンのキャリア史上最高と呼ぶにふさわしい、『ジョーカー』までの道のりをふり返った。

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『グラディエーター』で傲慢で嫉妬深いローマ皇帝を怪演し、『ウォーク・ザ・ライン／君につづく道』では吹き替えなしで歌やギターを披露、『ザ・マスター』ではカリスマ教祖に見せられる元海兵隊員を演じて、助演と主演で計3度もアカデミー賞にノミネートされたホアキン。