くらし情報『【インタビュー】杉咲花 迎えた転機「媚びるような心」を捨てて変われた自分「花晴れ」から『楽園』への道』

2019年10月15日 07:45

【インタビュー】杉咲花 迎えた転機「媚びるような心」を捨てて変われた自分「花晴れ」から『楽園』への道

「いままでで一番難しい役」を通して知る、新たなステージへ

そんな“変われた”杉咲さんがチャレンジしたのが、『楽園』への出演だ。原作はベストセラー作家・吉田修一の短編集「犯罪小説集」で、『ヘヴンズ ストーリー』や『64-ロクヨン- 前編/後編』などを手掛けた瀬々敬久が監督を務める。犯罪をめぐる喪失と再生を描いた、何とも骨太な作品である。杉咲さんは、12年前、Y字路で行方不明となった少女と直前まで一緒にいた親友の湯川紡(つむぎ)を演じた。罪悪感を抱えたまま大人になり、いまなお心に深い傷を抱える、一筋縄ではいかぬ役。作品について尋ねると、杉咲さんは少し考えこんだ表情になる。

「いままでで…一番難しい役でした。台本を読んで漠然と物語の雰囲気、役の心情を理解できるようでいて、なんだかすっきりはしていませんでした。
完全にわかった、と最後まで思えなかったです」。それは初めての経験だった。だから、「現場に行ってからも、何となくイメージは湧くのですが、いざ“本番”となったときに、毎回、頭が真っ白になるんです。ここまで想像と違う感情に自分がなる経験が初めてだったので、すごく怖かったです」。

不安な気持ちを抱えたまま、杉咲さんは、事件の容疑者として追い詰められていく中村豪士(たけし)

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