2019年10月23日 17:00
映画大好き少年からマーベルの社長へ ハリウッド席巻中のケヴィン・ファイギに注目
若者たちのコミック・ブック離れが致命的な原因だ。マーベルは借金返済のために売れるものは全て売らなければいけない、という状況に追い込まれる。人気キャラクターの映画化権も売りに出された。
ハルクはパラマウントへ、X-MEN、ファンタスティック・フォー、デアデビルはセットで当時の21世紀フォックスへ、そして最近「養育権争い」となったスパイダーマンとその関連キャラ(例:ヴェノム)はソニー・ピクチャーズへ、といった具合である。
この時期にケヴィンの恩人となるアヴィ・アラッド氏が苦境に瀕したコミック会社の将来性に目をつけた。アラッド氏は昔からマーベル・ファンで、ハリウッドでもプロデューサーとして著名だった。アラッド氏は、仲間で屈指のオモチャ企業Toy Bizの責任者だったアイザック・パルムッター氏にマーベル参入をうながす。かくして両氏の指揮のもとマーベル・コミックス社は、マーベル・スタジオとして新装オープンするに至る。
さて、マーベル・スタジオに入社したケヴィン青年に話を戻そう。入社当初、アラッド氏の右腕として採用されたとはいえケヴィンの仕事は、毎日山のように送られて来る脚本に目を通し、ミーティングに出かけるアラッド氏のカバン持ち兼助手といった具合だった。