2019年11月6日 12:30
【インタビュー】ウィレム・デフォーと芝居の45年「役になる それこそが美しい瞬間」
「その通りだと言いたいところだけどね。ただ、少し複雑なのは、そう言ってしまうと自分を評価することになりかねない。それは決して、健全ではないように思うんだ」。
「僕は演劇学校に通い詰めて役者になったわけじゃなく、ダンサー、アーティスト、建築家らが集うグループに所属し、プロとしての道を歩み始めた。人が夢を語るとき、それがモチベーションになるのは理解できる。でも、僕の場合は『役者になりたい!』と口にするよりも、人に惹かれ、状況に惹かれてここまで来た。その結果、役者と言ってもらえるようになった」。
「とは言え、いまの僕は64歳で、かれこれ45年ほど芝居を続けてきた。
なのに、芝居と美しい関係を結べていなかったら悲劇だね!こんなにも時間をかけてやってきたのに、間違った道だったとしたら最悪だ(笑)」。
失敗を恐れず「行動すること」が後の評価に繋がる
生前のゴッホは評価を得られなかった。一方、ウィレム・デフォーは愛され、尊敬されている。本作ではヴェネチア映画祭男優賞を受賞。アカデミー賞主演男優賞候補にもなった。
「いい役者になるには、いい人間にならなくてはならない。皮肉なことにね。芝居をすることは、行動すること。