2020年3月8日 10:30
『ハスラーズ』『スキャンダル』『チャーリーズ・エンジェル』…女性の連帯描く映画のすすめ
『ジョーカー』や『パラサイト 半地下の家族』と同様の経済格差を背景に、女性たちの連帯・共闘による反撃を見事に描き出している。
その企ての中心となり、ストリッパーたちを取りまとめるトップダンサー、ラモーナを演じているのがジェイローだ。迫力のスーパーボディと猛特訓を重ねたポールダンスを披露する、驚異の50歳。祖母を養うためにストリッパーになったデスティニー(『クレイジー・リッチ!』のコンスタンス・ウー)が、そのパフォーマンスに圧倒されて思わず見とれてしまうように、彼女のゴージャスな毛皮に包まれたくなる人が続出中だ。
本作は、『マネー・ショート華麗なる大逆転』の影で起こっていたもう一つの現実であり、なぜ彼女たちがそうしたのか、それぞれの事情にも踏み込んでいる。やがて彼女たちは、ラモーナのカリスマ性と包容力に導かれ、共謀して金融マンから大金を奪うことでますます絆を深め、友情というよりむしろ疑似家族のような関係性で結ばれていく。しかし、加護者のようなラモーナの母性は、思わぬ形で破綻のきっかけをもたらすことにもなってしまうのだ。
ジェイローはゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞(SAG)