2009年10月14日 17:54
菊地凛子『サイドウェイズ』インタビュー オスカー候補女優が海外に挑戦し続けるワケ
でも、個人的には日本食が好きなので、撮影が終わって美味しいものが食べられる日本が本当は一番いいんですけどね(笑)」と、穏やかな口調、やわらかな物腰で話すが、その志はかなり高い。
今回の『サイドウェイズ』でももちろん挑戦はあった。彼女が演じるミナ・パーカーという役は、生まれも育ちもアメリカという設定。流暢な英語とたどたどしい日本語を会話に混ぜ込む演技は「すっごく大変でしたね」とふり返るが、そんな苦労を微塵も感じさせない演技はさすがだ。さらに、言葉だけでなく細かな動きも研究したのだという。
「向こうの人の独特な動きがあるので、撮影現場にいたミナっぽい女性の動きを参考にしたり、ハーフの友達に『このセリフ言ってみて』と微妙なアクセントを聞いたりしました。難しい役柄ではあったけれど、ミナは前向きで明るい女の子。痛みや辛さがない分、楽しかったですね」。
「大変だったけれど、楽しかった」と笑顔を見せる背景には、小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香という実力ある俳優が共演陣に揃っていたこと、やり甲斐のある環境だったことも挙げられるだろう。
「ほんとに。日本映画でこれだけ有名な俳優さんと仕事をするのは久々だったので、最初はちょっと緊張しましたけど、小日向さんが笑うとみんながフワ〜っとして心地いい気分になったり、生瀬さんは役柄通り英語もすぐに覚えて積極的に話していたし、京香さんはマイペースに生きている面倒見のいいお姉さんという感じで、すごくいい現場でした」。