くらし情報『【インタビュー】アデル・エネル、もどかしさを感じるようなリズムで…『燃ゆる女の肖像』は1つの旅路』

2020年11月25日 18:00

【インタビュー】アデル・エネル、もどかしさを感じるようなリズムで…『燃ゆる女の肖像』は1つの旅路

と打ち明ける。

感情の変化を意識しつつも、撮影は時系列に沿って順撮りされた訳ではなかった。エネルは続ける。

「正確さが必要になってくるのですが、各シーンが物語のどの段階なのかを正確に把握する必要がありました。(マリアンヌと出会った)最初は控えめで冷たい印象なのですが、物語の流れに従って、より晴れやかな表情へと徐々に変化させていきました。お互いのリズムに合わせ、息を合わせていかなければなりません。本作は女性のまなざしというコンセプトに基づいた作品です。見られる対象だった者が、やがて見る者になっていくという旅路を辿るキャラクターを創っていこうという考えは当初からありました」と明かす。


その旅路に沿って、エロイーズの感情を段階ごとに変化させていったというエネル。「3段階に分け、最初はまるで日本の伝統芸能、能の面を被っているかのように、心の内を明かさない。自分の置かれた状況に反抗するのは、それに逆らおうと戦うことではなく、まるで自分がその場にいないかのように振る舞うことだと考えたからです。しかしその後、能面に徐々にひびが入っていき、やがて割れるのは、マリアンヌと親密になっていくに連れ、知的好奇心を刺激され、芸術に目を向けるようになっていくからです。

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