2020年12月25日 13:00
『新感染半島』から『野球少女』まで…必見作が続く! 2021年公開の多彩な韓国映画
というミステリー。1979年10月26日に至るまでの40日間に関わった人物の行動を掘り下げ、歴史の闇に肉薄する。
特筆すべきは、「ミニマムな演出」だ。KCIAの部長に扮する主演のイ・ビョンホンも、大統領役のイ・ソンミンも、抑えたトーンのセリフと動作を生かしつつ、目や眉、唇の小さな動きで深い感情を表す。それが一層ひりひりかつジリジリと、誰もが知る歴史的な「暗殺の日」に向けて緊張感を高めていく。
韓国映画評論家協会賞で作品賞と主演男優賞を受賞し、2021年開催のアカデミー賞国際長編映画賞韓国代表にも選出。まさに名実ともに今年の韓国映画界を象徴する作品といえるだろう。
ユーモアたっぷりで心ほっこり
『チャンシルさんには福が多いね』
2020年の韓国は、女性監督が相次いでデビューした年だった。
そのひとりが、『チャンシルさんには福が多いね』のキム・チョヒ監督だ。キム監督は、もともと『ハハハ』『ソニはご機嫌ななめ』『自由が丘で』などホン・サンス監督のプロデューサーを務めていたが41歳で辞め、今後に悩んでいた時に女優のユン・ヨジョンの映画での方言指導の仕事をゲット。それが「元プロデューサーが俳優の家で家事手伝いをすることになる」