2022年1月18日 18:30
【ネタバレあり】『ユンヒへ』小樽は“暖かな色合い”に…ぬくもりが溢れる世界観の裏側
福島氏によると、その意見交換の中で日本のシーンと韓国のシーンでは、空間の色に違いを出していきたいという内容が話し合われたという。偶然にも、キム・ジニョン氏は韓国パートではユンヒとセボムの住む自宅を寒色系のトーンで提案し、福島氏は小樽のジュンとマサコが住む家を温かみのある暖色系だと想定していた。それらの案は採用され、福島氏は、小樽の象徴ともいえるステンドグラスやシーンごとに配色を考えた花といったふうに、日本パートにおける美術の細かなプランを構築していったという。
●「驚きと尊敬の念を抱いた」ロケハン時の意外なエピソード
本作のクランクインを約1か月先に控えた2018年12月中旬に、イム・デヒョン監督をはじめメインスタッフたちとロケハンを開始。その後は韓国チームとはリモートでやりとりを進めながら撮影に向けての準備に入ったそう。そのロケハンで監督と初めて会った福島氏は、彼と交わした印象的なやりとりについてこう語る。
「その時、監督からスタッフやキャストに配布する台本の表紙のデザインについて、 “どのデザインがこの台本のイメージに合うか一緒に考えて欲しい”と相談を受けたのです。パターンはいくつかあり、どれも本当に素敵なデザインでした。