2010年9月3日 20:04
『トイレット』荻上直子監督×フードスタイリスト飯島奈美 餃子に込めた思いと旨味
すごく幸せそうで、でもすごくもの哀しいんですよね。幸せだけど永遠には続かない時間――その儚さがあの食事のシーンにはあると思います。でも普段、脚本を書くときに意識して『ごはんのシーンを出してやろう!』とは思ってないんですよ」。
飯島:でも日常を描いた作品なら当然、ごはんは出てきますもんね。よっぽど…殺しの映画とかじゃなければ(笑)
荻上:でも殺人犯だってごはん食べますしね(笑)。
意識はしていない――。だが、監督が何気なく脚本に書いた食べ物が、飯島さんというプロの手で、想像を超えたシーンに“変身”することも!
飯島:(『めがね』のときの)伊勢えびとかはおもしろかったですね。
荻上:あれは最初から脚本に書いてあったんですよね、“伊勢えびとビール”ってだけ(笑)。
それを茹でて、豪快にバリッと割って丸かじりするというのは、奈美さんのアイディア。
飯島:ああいう贅沢な食べ方もいいなぁって。昔、「レディーボーデンのアイスを、大きくなったら1箱食べたい」とか考えてて(笑)。それに近い感覚でした。
荻上;私は単に、えびを食べるってことしか想像してないんですよ。そこで奈美さんが「こうすると美味しそうです」