2010年10月15日 22:10
阿部寛インタビュー “不可能”に挑み続け、楽しむ男
フランス映画のフッと力を抜いたあの世界観に身を投じて、自分を映像で客観的に見ることができる。自分の中でもすごい経験になるとね」。
常に演じる役から何が吸収できるかを考える。そんな阿部さんのスタイルがうかがえるが…。
「リメイクの場合は特にそうかな。(オリジナルの)この役者は、自分の発想にないものを持ってる。それを真似して、盗んで、自分の肉にしようとする。あとは、新しい作品に臨む上ではこれまでと同じことをやるのではなく、できるだけ違う方向に引き離していこう、ということは意識してますね。
もちろん、自己満足にだけ陥ったら見ている人は醒めてしまうからそこは気をつけていますが」。
つかこうへいとの出会いが教えてくれたこと
幾度となく口をつく「楽しい」という言葉。演じることに楽しさを覚えるようになったのは、今年亡くなった演出家のつかこうへいさんとの出会いがきっかけだったという。20年近くも前につかさんの「熱海殺人事件 モンテカルロ・イルージョン」に出演。バイセクシャルの刑事役が称賛されると共に、二枚目役の多かった阿部さんのイメージを一新した。
「そのころは自分の幅なんて本当に小さかった。イメージとか、くだらないものが邪魔してて。