『ボレロ 永遠の旋律』稀代の作曲家を熱演ラファエル・ペルソナ「新たな僕の一面を見つけて」
いまも世界中のどこかで、15分ごとに演奏されているといわれる「ボレロ」。その後のクラシック音楽はもちろん、ポップミュージックやジャズにも影響を及ぼし、映画や演劇にもインスピレーションを与えた不朽の名曲。
その知られざる誕生の秘密を解き明かす音楽映画『ボレロ 永遠の旋律』で、作曲家モーリス・ラヴェルを演じたラファエル・ペルソナが、ラヴェルという繊細な天才の役作りについて、メガホンをとったアンヌ・フォンテーヌ監督や共演者について語った。
1928年にモーリス・ラヴェルがバレエ曲として書き上げた「ボレロ」はパリ・オペラ座で初演されて以来100年近く、時代と国境を越えて愛され続けてきた。
実は、この音楽史上最も成功したベスト&ロングセラー曲は、第一次世界大戦での挫折、ミューズへの唯一無二の愛、全存在を肯定してくれた母の死など、ラヴェル自身がその時々に舞い戻り、引き裂かれた魂に深く潜り、そこで追体験した全てを注ぎ込んで作り上げた曲だった。
「ボレロ」を完成させるため心身を削っていったラヴェルを演じたのは、『黒いスーツを着た男』『彼は秘密の女ともだち』などで知られるペルソナ。これまで、『ココ・アヴァン・シャネル』で伝説的ファッションデザイナーのココ・シャネルや、『夜明けの祈り』で修道女たちを救った医師マドレーヌ・ポーリアックなど実在の人物を取り上げてきたアンヌ・フォンテーヌ監督と初タッグを組んだ。