2020年2月14日 16:00
大森靖子、フルMAXな“超歌手”人生! あふれ出るアイデア「枯渇しない」
だから、わざわざ貧乏っぽいごはんを食べたりする生活をしていました。
――そこから、音楽をやっていったなかで、何か転機はありましたか?
自分が大学を卒業する年に、私にギターを教えてくれた師匠のような存在の方が亡くなったんです。大阪在住のシンガーソングライターのおじちゃんで、お酒を飲みすぎて肝硬変になってしまいました。その1カ月後に東日本大震災があって、自分の大学の卒業式もなくなりました。そこから1カ月くらいは怒涛の日々で、音楽に対しても自粛ムードがあったし、大学も終わりました。でも、自分が音楽活動をしていかないと、亡くなった師匠の美学みたいなものがなかったも同然になるかもしれないと思ったんです。
――だから、師匠の思いをつないでいこうとされたのでしょうか?
はい。師匠は肝硬変で亡くなったけど、その悲しみが、震災によって消されていくみたいな気持ちになってしまって。
1つの生命と、何千人の命を比べるという意味ではないけど、一緒にしてしまうのが嫌だなとすごく思いました。その時、私は1つの生命をちゃんと大事にできるような活動をしていきたいと思ったし、これからもずっとその気持ちを大事にして、歌っていこうという気持ちになりました。