2020年2月28日 10:00
役者の岐路 第9回 上白石萌歌、教師の両親からの教え「どの仕事も苦しい」20歳の誓いとは
という気持ちにもなれました。
○■日本アカデミー賞新人俳優賞で母から思わぬ一言
――先程、デビュー間もない頃のお話をされていましたが、そういう不遇の時代の中で、心に残っている言葉はありますか?
何だろう……一番近くで母親がかけてくれた言葉はすごく励みになりました。とっても厳しい親ですが、愛情のある厳しさで。絶対に、私たち姉妹を見放したりしない。オーディションに落ち続けていた時も、「何事もご縁。それまでは自分を磨けばいい」と言ってくれましたし、今のように役を頂いている状況でも、「風向きが良い時、人は恩を忘れてしまうから、絶対に忘れてはいけない」と、いつも冷静でいてくれます。すごく鮮明に覚えているのが、第42回日本アカデミー賞の新人俳優賞を頂いた夜、「浮つかないように」とも言われました。もし自分が親の立場だったら、きっと興奮して寝られないはず(笑)。
地に足をつけさせてくれる存在が近くにいて、本当にありがたいです。
――そうやって冷静に見守ってくださっているんですね。
母はもう辞めましたが両親共に教師で、まさか娘二人がこういう活動するなんて夢にも思ってなかったでしょうね。父の言葉で覚えているのが、「結局どの仕事も、苦しいのは同じ。