くらし情報『記憶の脳科学 (1) 低下したワーキングメモリ(脳のメモ帳)の機能は強化できるのか?』

2014年10月8日 12:00

記憶の脳科学 (1) 低下したワーキングメモリ(脳のメモ帳)の機能は強化できるのか?

、「SPL(上部頭頂小葉)」の3カ所がワーキングメモリの要となる中央実行形系のネットワークを作っていると考えられている。

SPLは注意の焦点を特定の対象に向ける「注意の切り替え」を担い、DLPFCは「注意を保持」する。そしてACCは注意を向けるべき対象をうまくキャッチしてそうでない対象を「抑制する」働きをする。

苧坂教授が強調するのは「注意の向け方」だ。ワーキングメモリの点数が低い人は決して覚えるのが苦手なのではない。「注意の移動」が苦手だということ。覚えなくていい対象に注意が向けられていたりして、覚えるべき対象に正しく注意が向けられていないようだ。

○高齢者の特長 - ワーキングメモリを鍛える方法

ワーキングメモリは20~30代がピークで年齢が上がるに従って機能が衰えていくという。


高齢者にRSTを行うと、ターゲット語と違う単語を覚えてしまったり、ターゲット語だけ覚えればいいのに文章全部を覚えようとしたりする傾向が見られる。「つまり焦点化、覚えなくていいことに対する抑制制御がうまく働かないのです」と苧阪教授は指摘する。脳の働きを調べるとACCがほとんど活動を見せない。

では、低下したワーキングメモリの機能は鍛えることができるのか?

苧阪教授は「通常の日常生活を送っていれば、十分にワーキングメモリは鍛えられるので、むやみに鍛える必要はありません」

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